ページの先頭です。本文を読み飛ばして、このサイトのメニューなどを読む

 
どうしてここまで決定が遅れた?

フォースインディアがスーティル起用発表

2013-2-28 22:14


 2月28日、フォースインディアがエイドリアン・スーティルを2013年のドライバーとして起用することを発表した。スーティルはすでに前日からバルセロナ入りしており、今週のテストにも参加して開幕に向けた準備を整えることになる。

 フォースインディアのドライバー決定がここまでずれ込んだ理由には諸説あるが、結局はスーティルをとるかジュール・ビアンキをとるかのどちらのほうが資金的実入りが大きくなるかで駆け引きを続けていたに過ぎない。

 ビアンキはFDA(フェラーリドライバーズアカデミー)所属であり、フェリペ・マッサと同じニコラ・トッドがマネージメントするドライバー。フェラーリは子飼いのドライバー育成とトッド派閥との関係保持という両方の意味で、ビアンキを支援。フォースインディアはこれを良いことに、レースシートに乗せる代わりにどれだけの資金を引き出せるか駆け引きを続けてきた。

 フォースインディアとしてみれば、スーティルをレースドライバーとして彼の持ち込むメディオンなどのスポンサー資金(約8億円と言われている)プラス、ビアンキをサードドライバーとして金曜フリー走行で走らせる程度のフェラーリからの支援金(数億円)の合計額か、ビアンキをレースドライバーに昇格させることでフェラーリから引き出せる金額のどちらが大きくなるかの駆け引きを続けてきたわけだ。その結果、フェラーリが8億円以上の支払に合意せず、ビアンキのレースドライバー昇格は流れたということになる。ただしチームはビアンキとの関係継続を示唆しており、そこには2014年のエンジン及びギアボックス供給とビアンキの昇格が絡み合っている。

 いずれにしても、スーティルは貴重なテスト日数を失いわずか数日間のテストのみで開幕戦に臨むことになる。これは彼自身だけでなくチームにとっても不利益にこそなれプラスになることはない。先週は「僕はレースがしたいんだ。これが最後のチャンスだと思って臨んだ」と語っていた彼のことを考えても、非常に残念な経緯を辿ってしまったと言わざるを得ない。願わくば、レース本番の結果でこのロスを取り返してもらいたいものだ。

(text by Mineoki YONEYA / photo by Force India)


ページの終端です。ページの先頭に戻る