ドライバーズ・チャンピオンシップを連覇したセバスチャン・ベッテルが、今シーズン10勝目を挙げました。2位からスタートしたオープニングラップでリードを奪うと、その後は的確なピットストップ戦略でトップの座をキープしました。彼は、1シーズン13勝というミハエル・シューマッハの記録に並ぶ可能性を持っています。ベッテルのチームメイトであるマーク・ウェバーが3位に入り、レッドブル・レーシングは、2年連続のコンストラクターズ・チャンピオンシップを獲得しました。レッドブル・レーシングの通算勝利数は、25勝となりました。
韓国GPの週末は、金曜日にウェットコンディションでスタートしました。したがって、各チームは、予選と決勝に備えて、異なる燃料搭載量によるPZeroスリックタイヤのパフォーマンス評価を、わずか1時間の土曜日最終フリー走行で行わなければなりませんでした。昨年の初開催時は、セーフティカー先導のスタートだったため、韓国GPとしては初めてのドライコンディションでのスターティンググリッドに並んだ時点において、各チームには多数の確認できていない要素が存在していました。
レッドブル・レーシングのセバスチャン・ベッテルとマーク・ウェバーは、予選において、これまでとは異なる戦略を採りました。すなわち、PZeroレッド・スーパーソフト・タイヤのみを使用し、PZeroイエロー・ソフト・タイヤをレース用に温存したのです。これに対して、マクラーレンとフェラーリは、PZeroレッド・スーパーソフト・タイヤをできるだけ温存する戦略でした。3回のピットストップを行ったザウバーの小林可夢偉とセルジオ・ペレス、HRTのビタントニオ・リウッツィ以外の完走者は、すべて2回のピットストップでした。
しかしながら、ベッテルは、第2スティントまでスーパーソフトで走り、最終スティントをソフト・タイヤで走行しました。すなわち、12秒差で勝利した彼には、すべてのタイヤセットを使用する必要が無かったのです。マーク・ウェバーは、ルイス・ハミルトンとの長いバトルの末、3位でフィニッシュしました。ハミルトンは、今シーズン初めてポールポジションを獲得しましたが、2位で終わりました:彼にとっては、ドイツGPでの優勝以来の表彰台となりました。2位から5位までの差は、わずか4秒でした。トロ・ロッソのハイメ・アルグエルスアリは、自己最高位タイとなる7位入賞を果たしました。彼は、ベッテルと同様の戦略を採り、2スティントをスーパーソフトで、最終の長いスティントをソフトで走りました。
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:「私たちは、意図的に大胆なタイヤ選択を行い、金曜日の天候によって、各チームにはレースまでに十分なデータが無かったにもかかわらず、レース序盤のフルタンク状態において、スーパーソフト・タイヤは10週以上、ソフト・タイヤは20週以上パフォーマンスが発揮できることを確認できました。サーキットの路面状態が急速に良くなったことは明らかです。各チームの最初のピットストップ状況から、私たちは2ストップ作戦が主流となることを認識しました。これは、当初予想していた中の最も少ないストップ回数です。様々なタイヤ戦略が上手く機能しましたが、最終的には、ドライバーたちは、両コンパウンドのタイヤで非常に良いペースを維持していました?レース前には、4ストップもしくはそれ以上必要であるとか、深刻なデグラデーションを予測する声があったにもかかわらず、ベッテルは、最終ラップにソフト・タイヤでファステストラップを記録しているのです。最後に、レッドブル・レーシングの2度目のコンストラクターズ・チャンピオンシップ獲得を祝福したいと思います。彼らにとって素晴らしいシーズンになったと思います」
今シーズン、ピレリのPZeroレッド・スーパーソフト・タイヤの使用は、韓国GPで最後となりました。これまで、モナコ、カナダ、ハンガリー、シンガポールで使用されてきました。残り3戦は、ソフトとミディアムのPZeroコンパウンドが選択されています。
ピットストップサマリー 2011 韓国GP
Vettel: SSU SSU (16) SN (34) 2
Hamilton: SSU SSU (15) SN (33) 2
Webber: SSU SN (14) SN (33) 2
Button: SSU SSU (13) SN (34) 2
Alonso: SSU SN (15) SN (37) 2
Massa: SSU SN (14) SN (34) 2
Alguersuari: SSN SSU (17) SN (37) 2
Rosberg: SSU SN (13) SN (27) 2
Buemi: SSN SN (14) SSU (36) 2
Di Resta: SSU SSN (11) SN (31) 2
Sutil: SN SSN (16) SN (35) 2
Barrichello: SSN SN (10) SN (31) 2
Senna: SN SU (13) SSU (30) 2
Kovalainen: SSN SN (13) SN (38) 2
Kobayashi: SN SSU (10) SSN (24) SSU (42) 3
Perez: SN SSN (16) SSU (36) SSU (53) 3
Trulli: SSN SN (12) SN (36) 2
Glock: SN SN (16) SSN (41) 2
Ricciardo: SN SN (16) SSN (41) 2
D’Ambrosio: SN SN (16) SSN (38) 2
Liuzzi: SN SN (1) SU (16) SSN (38) 3
Maldonado: SN SN (16) DT (22) SN (28) 3NC
Petrov: SSU SSU (14) 1NC
Schumacher: SSN SN (14) 1NC
最初のコラムはドライバーが最初に装着していたタイヤ
最後のコラムはピットストップの総数
S = Soft compound
M = Medium compound
N = New compound
U = Used compound
NC = Not classified
順位 | 車番 | ドライバー | チーム | Laps | タイム | ST | PT |
1 | 1 | S.フェッテル | レッドブル-ルノー | 55 | 1:38:01.994 | 2 | 25 |
2 | 3 | L.ハミルトン | マクラーレン-メルセデス | 55 | +12.0 secs | 1 | 18 |
3 | 2 | M.ウェバー | レッドブル-ルノー | 55 | +12.4 secs | 4 | 15 |
4 | 4 | J.バトン | マクラーレン-メルセデス | 55 | +14.6 secs | 3 | 12 |
5 | 5 | F.アロンソ | フェラーリ | 55 | +15.6 secs | 6 | 10 |
6 | 6 | F.マッサ | フェラーリ | 55 | +25.1 secs | 5 | 8 |
7 | 19 | H.アルグエルスアリ | トロ・ロッソ-フェラーリ | 55 | +49.5 secs | 11 | 6 |
8 | 8 | N.ロズベルグ | メルセデス | 55 | +54.0 secs | 7 | 4 |
9 | 18 | S.ブエミ | トロ・ロッソ-フェラーリ | 55 | +62.7 secs | 13 | 2 |
10 | 15 | P.ディ・レスタ | フォースインディア-メルセデス | 55 | +68.6 secs | 9 | 1 |
11 | 14 | A.スーティル | フォースインディア-メルセデス | 55 | +71.2 secs | 10 | |
12 | 11 | R.バリチェロ | ウィリアムズ-コスワース | 55 | +93.0 secs | 18 | |
13 | 9 | B.セナ | ルノー | 54 | +1 Lap | 15 | |
14 | 20 | H.コヴァライネン | ロータス-ルノー | 54 | +1 Lap | 19 | |
15 | 16 | 小林可夢偉 | ザウバー-フェラーリ | 54 | +1 Lap | 14 | |
16 | 17 | S.ペレス | ザウバー-フェラーリ | 54 | +1 Lap | 17 | |
17 | 21 | J.トゥルーリ | ロータス-ルノー | 54 | +1 Lap | 20 | |
18 | 24 | T.グロック | ヴァージン-コスワース | 54 | +1 Lap | 21 | |
19 | 22 | D.リカルド | ヒスパニア-コスワース | 54 | +1 Lap | 24 | |
20 | 25 | J.ダンブロシオ | ヴァージン-コスワース | 54 | +1 Lap | 22 | |
21 | 23 | V.リウッツィ | ヒスパニア-コスワース | 52 | +3 Laps | 23 | |
Ret | 12 | P.マルドナド | ウィリアムズ-コスワース | 30 | Engine | 16 | |
Ret | 10 | V.ペトロフ | ルノー | 16 | Accident | 8 | |
Ret | 7 | M.シューマッハ | メルセデス | 15 | Accident | 12 | |
(photos by Wri2)