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ミハ様を援護する人はいないの?


2012-5-1 10:14
ディグラッシも現状のタイヤがF1にとっていいと言っています - motorsport.com
 ディ・グラッシもニコ・ロズベルグやバトンと同意見。ミハエルの批判に対峙するコメントが多い雰囲気です。

 うーん。これは意図的に今のタイヤがいい、というほうに持っていっているのか、本当にミハエル以外は現状のタイヤがいいと思っているのか、よく分からないんです。
  まぁ、ディ・グラッシはピレリのテストドライバーですから、そんなピレリ批判はしないでしょうけどね。
 昔、ケケ・ロズベルグが「燃費気にしてF1やってられっか!」と引退したとかしないとか。その後の時代の流れは燃費や総合力に変化していき、ケケは時代についていけなかった(いかなかった)的な流れの印象でした。高燃費(かつ高出力)は、時代にマッチしていたと思うのですが、今回は少し違うと思うんです。

 ピレリは今後どんなタイヤを目指すのか、それがよく分からないんです。

 性能や品質が向上すれば、戦略はより読みやすくなるじゃないですか、すると今のような不確定要素は出現しづらいはずですよね。でもそれはどうやら、ピレリが目指す所ではないっぽい。エキサイティングなレースにすることが目的のように話しているわけですよね?

 それは今後「読める」タイヤになってきたときに、チーム側に分からないようにダブルなりトリプルコンパウンド、熱で構造特性が変わるタイヤなどを作って、レースに変化を与える方向に行くのでしょうか?
 ドライバーに聞くと、どっちが良いとか悪いとかじゃなくて、現状で与えられたものの性能を最大限に引き出すのが自分たちの仕事だから、なんでそんなこと聞くの?っていう感じなんですよね。

 別にピレリの性能が悪いとか品質にバラツキがあってこうなっているわけではないですし、昨年から「摩耗しやすくタレやすい」タイヤっていう方向性は明確にあるので、それはチームもみんな分かっていると思いますよ。今のレース展開っていうのもピレリの狙いのうちだと思います。

 そもそも、こうやってあちこちで「ピレリ、ピレリ」って言われてることがもう最高の宣伝になって、彼らの思惑にハマってるわけですから(笑)。
 確かに今のF1は乱数が多くて読みづらい展開ですが、僕はブリヂストン最終年が面白くなかったなんて思わないんですよね。でもそれではマニアックすぎるのかな? なんだかF1がNASCARっぽくなっていて、どうも……。ミハ様同様、僕はついていけないのかも(笑)。面白くなくはないんですけどね。僕はNASCARも好きだし……。
 逆に言えば、今はNASCARみたいなクジ引き的要素というよりドライバーの差が出やすいとも言えますよね。

 アロンソなんかもよく言うんですけど、クジ引き的になったといってもHRTが勝てるわけじゃないだろ、と。勝てるのは速いクルマと良い戦略と、そして良いドライバーという全てが揃ったところなんだよ、って。

 そういう意味では、個人的には今のF1はそのバランスがわりと良いんじゃないかと思うんですけどね。

 結局はどちらにせよ満足しない人はいて、その時その時で反対方向に行きたいっていうバイアスがかかった意見が出て来ちゃうってことなんでしょうね。
 NASCARのドライバー依存度はかなり高いですよ〜。くじ引きは予選走行順だけで、やはり勝つのはいいチームのいいドライバーといいクルーチーフのコンビネーションなのです(昨年インディカーで、くじ引きでグリッドを決めたりもしましたが、今年はやらないんじゃないかな)。もちろんコーションの数が多いので、意外なチームが年に2〜3戦勝ったりする部分はくじ引き的ですけどね。

 その、F1の進んでいる方向が、NASCARっぽい……というかアメリカンスポーツっぽいと感じているんです。最近の空力の制限や重量配分の制限による平準化もそうですが、後ろを速くするDRSなんてその最たるものだと思うんです。インディカーやNASCARファンの僕は「うわ、先にやられた!」と悔しいくらいですもん。で「レースにあんなものいらん」ってひがんでみるワケです。

 で、そのNASCARもタイヤに対するドライバーの評価はひどくて、ジェフ・ゴードンやトニー・スチュワードだってTVインタビューで非難していたくらい。でもファンとしてはGoodYear + バセットホイールを履きたいワケで、それはそれでプロモーションとしてはアリだと思うんです。

 ええと、話が少しズレてしまいましたが、今回のタイヤに関しては、ミハエル以外の反対意見は全然出てこないじゃないですか。技術の最高峰を競うはずだったF1にふさわしいのか? って所に違和感を感じる人は、本当にいないのかなと思うのです。もちろん時代とともに変わっていかなければならないのですが、その方向に異をとなえる人がいないのが不思議なんですよね。

(Photo by Wri2 / Text by Mineoki Yoneya and ALABULKA)

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