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企業にスポンサードを求めるのは無理がある?


2012-12-13 14:53

 小林可夢偉にスポンサーがつかない現状、F1に興味を示す日本企業が現われないことに怒りを感じているファンの方もいらっしゃるでしょう。バニ夫さんも、アラン・ジョーンズさんも、日本企業は可夢偉をサポートすべきだって言います。そりゃ、そう思います。

 でも、それはしょうがないことです。広告・宣伝費というのは、景気が悪くなり売上が落ちれば真っ先に削られるところです。それに、日本国内をマーケットにする日本の企業にとってみれば、F1にスポンサードするコストパフォーマンスは極めて悪いのですから、しょうがないのです。以下、ちょっと長くなりますが、お付き合いください。

 最低でも何億円もの費用が必要で、それだけ投資しても小さなロゴがマシンに貼られるだけ。そんなんじゃ、マシンがテレビ中継に映ったとしても、ロゴの宣伝効果なんてゼロに等しい。かといって、テレビ映像でも分かるくらい巨大なロゴを貼ろうと思ったら何十億円が必要になる。そもそも、今の日本じゃ地上波放送がなくて、基本的にマニアなF1ファンの人しか見てないし。

 本当は、テレビ以外の媒体でF1のイメージを利用して宣伝をするために、F1チームにスポンサードするというのが主流でしょう。でも、それを上手くやれるメーカーなんてない。日本の一般の消費者が、F1のイメージに釣られてものを買うかと言われれば、そんなことはほとんどないからです(少なくとも大半の日本企業はそう判断しているわけです。トヨタやホンダでさえも)。ピレリだって、世界的に見ればF1のイメージを利用したPR活動を大々的に行なっていますが、日本では安藤美姫ちゃんですよね。F1の『LET'S DANCE』のPRビジュアルなんて見たことないですよね。

 極論すれば、日本ではF1ファンを相手に何か売りたいものがあるのか?っていう話になります。で、そんなもんありません、と。いや、ないわけじゃないけど、何億円もかけて開拓する市場じゃないと。企業というものは、成熟きしったマーケットにはもう広告費は投入しません。中国の広告費が馬鹿でかくて、日本はそうじゃないのは、そういう理由です。

 唯一、CASIOさんがなぜF1のスポンサーをやれているかというと、彼らは海外で売ることを考えてるからなんですね。海外市場への訴求効果という点では、F1はメリットがありますから。特に中国やブラジル、中東など、世界各地の前述のような未成熟なマーケットに一気に訴求できるわけですから、世界中にPRしようと思ったら実に効果的なツールなんですね。

 そういう企業が日本から出て来てくれれば良いのですが、たとえばユニクロがそうかというと、F1を使ってアピールするのとは少しブランドイメージが違うし、そういう意味でなかなかピタッとはまるところがないんでしょうね。

Kamui Kobayashi Japan's best ever F1 driver - Alan Jones
http://www.autosport.com/news/report.php/id/104801
日本企業は可夢偉を支援すべき…元王者が呼びかけ
http://as-web.jp/news/info.php?c_id=1&no=45532

(text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2)

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