時事通信さんがこんな記事を配信して、一部で微妙に話題になっていました。大通信社がF1のことを(レース結果速報以外で)扱うことは珍しいですしね。
ただ、この記事を読んでみても、何を伝えたかったのかよく分からない。
F1から日本勢が消える危機感を伝え支援を訴えているのかと思えば、ビジネス的に考えなかったのがいけないんだと小林可夢偉のことを批難しているようにも読めるし、でも最終的には「悲観的になる必要もなさそうだ」っていうし。そこに至る文脈がよく分からないんだけど、元々長かった原稿をバッサリ整理されちゃったんでしょうか……。
にしても、"元F1ドライバー"の中嶋さんのコメントを中心に記事を書くあたりが、通信社っぽい。専門メディアの人間なら、いまさら中嶋さんに聞いたところで一般論以上の話ができないことも分かってる(逆説的に何を言いたいかは分かりますよね)。
確かに中嶋さんはたくさんスポンサーさんと良好な関係を築き支援してもらってF1にも行ったしレースを続けてきた。でも時代が違う。80〜90年代のバブリーな日本と同列で現在の状況を語るのはいかがなものか。これは中嶋さん批判ではなくて、中嶋さんは日本人F1ドライバーとして偉大な人だけど、今のF1に精通しているわけじゃない。一般論として語った中嶋さんのコメントをこう使うのはなんか違う気がするという話です。
何が伝えたいのかよく分からない記事なのに、「商才も必要」という見出しだけで踊らされているだけのような気がします。
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F1から消える日本=中嶋氏「腕も商才も必要」?14年の復帰狙う小林http://www.jiji.com/jc/zc?k=201212/2012122400110&g=spo(text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2)