ページの先頭です。本文を読み飛ばして、このサイトのメニューなどを読む

 

【F1LIFEブックストア】F1関連書籍レビュー(その3)チーム&現場の人編


2013-1-3 13:42
 

 F1チームの内側で働く人たちというのは、我々には知り得ないことを知っているもの。そういった人物が記した本というのは、やはり特別なことが描かれています。

 F1関連書籍をご紹介する3回目の今回は、チーム内部&レース現場で働いていた人たちによる著作をご紹介します。ファンならば、F1の裏側を知るためには絶対に読んでおきたい本ばかりです。



世界最速のF1タイヤ―ブリヂストン・エンジニアの闘い (新潮新書) 浜島裕英

内容紹介(Amazon.comより)
 失敗は開発のチャンス―。国際舞台での敗戦がつづくなか、敗因の分析からすべては始まった。F2、DTM、インディ500と経験を重ね、ついに最高峰のF1に参戦。そして、強大な宿敵ミシュランに圧勝し、二十年前に喫した惨敗の屈辱を晴らす。タイヤ開発の苦闘、過酷なレースの内幕、F1の経済学、M.シューマッハーの素顔など、日本人エンジニアが描くモータースポーツの世界。

レビュー
 ブリヂストンでモータースポーツ用タイヤ開発責任者を務めてきた浜島さんが、1980年代からF1に至るまでの経緯、そしてF1での裏側を描いています。まだBSでバリバリにタイヤ開発をしていた頃の2005年に執筆された、リアリティあふれる本です。

 元々の企画は世界中のグルメ旅的なものだったらしいのですが、編集者が取材を進めるうちにモータースポーツ活動そのもののエピソードが面白いということでこんなストレートな本になった、なんて裏話も。



F1 戦略の方程式 世界を制したブリヂストンのF1タイヤ (角川oneテーマ21) 浜島裕英

内容紹介(Amazon.comより)
 F1参戦の総指揮者として戦い、その内幕を知るからこそ語れる「世界最高の勝負における戦略のすべて」。シューマッハや小林可夢偉らが裏舞台で勝利のために欠かさないこととは?

 チームの戦略、ドライバーの戦略、エンジニアの戦略。F1は戦略の連立方程式である。

レビュー
 浜島さんの本、第2弾。BSのF1参戦終了後に記された本で、小林可夢偉やフェッテル、現役復帰したシューマッハら最新のドライバーも登場。速さを求めてタイヤエンジニアを頼り相談にやってくるトップドライバーたちの裏側も垣間見ることができます。

 タイヤのことを中心に、難しい話を分かりやすく表現して教えてくれる浜島さんだからこそ、タイヤの基礎学習に最適な1冊だといえるでしょう。



F1ビジネス―もう一つの自動車戦争 (角川oneテーマ21) 田中 詔一

内容紹介(Amazon.comより)
自動車メーカー VS F1の首領
第三期ホンダF1の陣頭指揮を執った国際マーケティングのプロが、
政治と経済の両面から、その舞台裏を明かす!
▼1秒タイムを縮める開発コストは100億円!?
▼モナコ1泊1000ユーロ、毎回100人の海外出張
▼300キロの死闘を制しても……ドライバーの優勝賞金はゼロ
▼F1の技術は市販車開発に役立たない?
▼ルノー、BMW、ホンダ……大手自動車メーカーがF1に参戦する、本当の理由とは?
▼英・独のチームもあきれた、フェラーリの裏切り

レビュー
 田中さんは、ホンダのイギリス拠点HRDの社長を務め、ホンダの第3期F1活動の前半期に運営責任者を務めた人。元々はブラジル・ホンダをゼロから立ち上げて成功を収めた人で、エンジニアではなく文系の人。F1をビジネス的視点で見て紹介できる稀少な日本人です。

 ホンダ退職後の2006年に発行されていて、まだF1が自動車メーカーの莫大な資金で運営されていた「2000年代のF1」が裏側から描かれています。去就が注目されるバーニー・エクレストンによるF1錬金システム構築にも言及今のF1にも残る部分はたくさんあるので、ファンはぜひ読んでおくべき1冊でしょう。



兵法 - F1での5年間 [Kindle版] Adam Parr

内容紹介(Amazon.comより)
「兵法 ― F1での5年間」はF1の今を内側から描くということと、それをコミックという形で表すという二つにおいて初の試みである。

本書の序においてF1運営組織の元会長マックス・モズレーは「この、F1の裏側でのアダムの人生についての物語は話自体にその本質を語らせるように、殆ど解釈なしに書かれている。これはF1についてでは初めてのそうした話だろう。F1を熱心に見守る人々の心を捉えることはもちろんだが、人間の行動とビジネスを研究する人々にとっても同じように興味深いものではないだろうか。」と述べている。

作者のアダム・パーは外の世界からやってきて、F1で最も長く存続しており最も愛されているチームの一つを運営した。レースコースの上でもそれ以外でも大変な困難に苦しんでいたチームのためパーは回復への戦略を立て、そこから五年間実行した。

それは特筆すべき五年間だった。F1は17レースから20レースに拡大し、新たな開催地としてシンガポール、スペイン、アブダビ、韓国と米国が加えられた。同時に、金融危機によって主要な自動車メーカーの殆どが撤退したことで多くのチームが入れ代わった。その間ウィリアムズは事業を多角化し、着実に財務を立て直して株式公開第一号のチームとなった。

ジグソー・パズルの最後の一片はグリッドの最前列に返り咲くことだったが、パーが会長の職を辞した六週間後にそれは実現した。

パーは成功も失敗も冷徹にありのまま書き記し、F1を特別な競技たらしめる、レースの内外で繰り広げられる激しい競争を描写している。

レビュー
 ウイリアムズのCEOだったアダム・パーが記した「F1暴露本」ともいう本。日本語版であり、コミックなので気軽に読めます。

 F1界で戦うだけでなく、チームの経営を立て直すために事業多角化、株式公開などの展開。他チーム代表たちとの駆け引きやエクレストンからの圧力による辞任まで、生々しく描写されています。

 Kindleでは上記の浜島さんの本や古い本なども販売されているので、これからどんどん活用できるかもしれませんね。
 

ページの終端です。ページの先頭に戻る