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日本GP直前スペシャルトーク【小林可夢偉×山本左近×近藤真彦】(その1)


2010-10-3 19:03

 10月3日にお台場で行なわれた『MOTOR SPORTS JAPAN 2010』にて実現した小林可夢偉×山本左近×近藤真彦のトークショー。日本GPに向けた抱負、今シーズンの振り返りなどをじっくりと語ってくれたその内容を、日本GP直前企画としてお届けします。笑いあり、真面目な話もあり、ですがほとんどが笑いばかりの楽しいトークです。

可夢偉「みなさん、こんにちは。今日は良い天気になってよかったですね。今シーズンは、本当にツラいスタートから始まったんですけど、ここまで15戦が終わってクルマもチームも良くなって、結果もそれなりにチームのキャパシティと同等くらいに出るようになってきて、残り4戦が楽しみですね。いや、あと3戦やったっけ? 4戦やったっけ? 今ちょっと迷ったんですけど(笑)、あ、まだ(韓国GPが)決まってないんですよね」

左近「みなさん、こんにちは。チームが新しいということもあって、経験あるドライバーが欲しいということで、僕は今シーズンの序盤にヒスパニア・レーシング・チームにテストドライバーとして加わりまして。イギリスGPでレースに出場する機会をもらって、最初は1戦だけって言われてたんですけど、自分のパフォーマンスを見せれば次に繋がるチャンスだと思ったんで全力を尽くしました。それ以来、ずっとレースに出ることができていて、こうやってまたF1ドライバーとして日本GPに戻ってこられることを嬉しく思っていますし、日本の大勢のファンの皆さんの前で走れることもすごく楽しみにしています」

近藤「可夢偉選手は、チームがクルマが真っ白じゃないですか。よそのチームがどんどんアップデートしていく中で、メゲたりしないですか?」

可夢偉「いやホントにね、すごく悔しいんですよね。クルマのアップデートだけじゃなくて、新しいスポンサーも決まっていく中で、僕らは何も変わってなくてクルマも白いまんまっていうね(苦笑)。でも僕の仕事っていうのは手元にあるクルマの性能を最大限に生かすっていうことだけやし、それしか考えてないんで」

「僕らがスポンサー活動をしたところで、最終的にはそれはチームの仕事やって割り切らないとレースに集中できないんで。限られた予算の中でどういうふうにクルマを開発してパフォーマンスを上げるか、どうやって結果を残すか、っていうことしか考えないように切り替えたんですよ、途中から。最初はね、全部頑張ろうと思ったんですけどね」

近藤「テスト前はすごく速かったから、これはひょっとして可夢偉選手は行っちゃうんじゃないかと思ったんですけど、開幕してみたらアレ?アレ?っていうのが続いて。でもここのところまた良くなってきたので、日本GPが楽しみになってきましたね」

「しかし、ザウバーに輪をかけてもっと悪いチームで走っているのが左近選手なんですけど……。当面のライバルはチームメイトだと思うんですが、それがころころ変わるっていうのはやりにくくないですか?」

左近「うちのチームの場合は、チームメイトが変わるっていうのはもう受け容れていくしかないんで。慣れるっていうのもヘンですけどね。でも、その都度その都度、自分たちが持っているポテンシャルを最大限に引き出すっていうことが、一番集中して取り組まなきゃいけないことですから」

「僕らはホントに開幕戦からクルマが何も変わっていない状態で、モナコだろうとモンツァだろうとシンガポールだろうと、どこに行ってもリアウイングの角度が一緒っていう(笑)。ホントにこれでよくレースをやってるなっていう感じですよ。もっと勝負をしたいっていうのは僕らもチームもみんな思ってますけどね」

近藤「外から見てても大変そうだよね。ところで可夢偉選手は、昔から見ていたシューマッハやアロンソみたいな選手と戦って、抑えたり抜いたりしているけど、どういう気持ちですか? って、こら手を振ってるんじゃないっての!」

可夢偉「いや、手ぇ振られたんで振り返したんですよ(笑)。最近はホントにその集団の一番後方にいることが多いんで、今までレースをしていて経験してきた以上にみんな駆け引きはすごく上手いんで、まぁシューマッハの場合は若干キタナイ場合もあるんですけど(笑)、それ以外ならバリチェロとかホントに上手いし、そういう人たちの後ろを走って1年目からいろいろ経験できているっていうのは幸せなことやと思うし、この先そういう経験を使っていければなと思いますね」

近藤「シューマッハとはなんか縁があるよね(笑)」

可夢偉「ありますねぇ(笑)。前回は完全にヤラレました、完っ全に(笑)。チームみんなで『とりあえずシューマッハがすべて問題だな』っていう結論になったんです。これからは『予選でシューマッハの前に行けばオッケー!』っていう。それだけが次の課題なんで。シューマッハがいるだけで全て狂うんですよ」

「今年は僕ら、2回戦略ミスを経験してるんですけど、その2回ともシューマッハがらみなんです(笑)。この前のシンガポールと、もう1つがホッケンハイム。あの時もペース的には結構悪くなかったんですけど、シューマッハが前にいたことによってペースが上げられずに、結局ポイントを逃してしまったんですよね。だから、僕らがポイントを逃すときって、常にシューマッハが絡んでるんです。ペーターもスタート前に『シューマッハだけは抜いてこい』って言うんですけど、そんな簡単に抜けへんよ、あの人は(笑)」

「(鈴鹿でも予選でシューマッハの前へ?)それだけですね。それさえできてれば、もう日曜日は安心して見て頂いて良いですよ(笑)」

近藤「シンガポールから日本GPまでにアップデートはあるんですか?」

可夢偉「アップデートは正直ないんですけど、シンガポールでアップデートしたパーツが一番効果を発揮するのが鈴鹿なんです。シンガポールではそれがきちんと機能するかどうかをテストの意味もあって投入したんで。実際のパフォーマンス的な効果が出るのは鈴鹿なんで、期待していただければと」

近藤「左近選手は、リアウイングも変わらずで?(笑)」

左近「鈴鹿も一緒です(笑)。そうですねぇ……ウイングの角度は一緒なので(苦笑)、そういう意味ではセッティングにあまり悩まなくて済むんですけど、アップデートもないしスペアパーツも少なくてホントに限られた状況でレースをやってますけど、チームはみんな日本に来るのをすごく楽しみにしていますし、僕と日本GPを戦えるのをチームみんなで楽しもうとしてくれているので、鈴鹿では良いレースができるんじゃないかなと思います」

可夢偉「でもね、ヒスパニアはコースによってはビックリするくらい直線が速いんですよ! ウイングがいつも一緒やから、僕らが重たいウイングを付けてるときは直線だけめっちゃ速いときとかあるんですよ(笑)。ホントにビックリしますよ!」

左近「ザウバーもスパは速かったじゃん?」

可夢偉「スパはぁ……あれはかなりウイングが可哀想やったから。みんなが結構角度が付いててルノーなんか90度くらいの板がついてるんですけど、僕らは微妙な角度のちっさいウイングしかついてなくて、F3のウイングみたいやったんですよね(苦笑)。それで『クルマは悪くないな』とか言われて、『いやいやいや、ウイング見てくれよ!』って(笑)」

その2に続く)

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