決勝前のドライバーズパレードといえば、平素は本丸に閉じこもって公務に当たっておられるお殿様がたが、そのお姿を我々下々の者にお見せくださるありがた〜い大名行列でございます。
そのお姿をひと目でも拝見しようと集まった鈴鹿の町民たちは、その時を今か今かと待ちわびておったのでございます。
そしてついにお殿様がたの車列が姿を見せんとするその瞬間、町民たちはその光景に、我が目を疑ったのでございます!
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ハミルトンどのの御馬があり得ないほどに小さい!
他の殿様がたがこの上なく美しい御馬にまたがっておられる中で、まさにそれは罰ゲームのようないでたち。
町民たちは、そのコミカルな姿に、笑って良いものかどうか、迷ったのでございます。瓦版を刷る筆師たちの詰め所にも、失笑が漏れたそうな。
当のハミルトンどのも、なにやらきまりの悪そうな表情。
しかしともに大名行列を行脚するうちに上を示されたのか、最終的には写メを撮ってその3輪の御馬に別れを告げられたのでございます。
めでたし、めでたし。
ー完ー
(text by Mineoki Yoneya / photographs by WRI2)