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【1】いまどこ 〜世界各地からのご挨拶〜(2011年10月第4週)


2011-10-26 6:00

 今週は韓国GPの後で2日間ほどソウルで過ごし、ゆったりしてから日本に帰ってきました。

 とはいえ、木浦からソウルに着いたのはもう月曜の夕方。その日はF1速報編集部員のタッキーと夜の街へ繰り出し、日付が変わる頃までちょっぴり楽しんだだけでした。翌日は地下鉄で昌徳宮という李氏朝鮮時代の王宮へ。とても広くて、王妃の庭である後宮などあちこち歩き回っているうちに半日まるまる潰れてしまいました。なので、あとは日本に帰る日の空港へ行くまでの時間に明洞を歩いてみたりした程度。

 それでもとにかく、日本を中心として海外からお客さんを呼び込もうという意思が強く感じられました。物価が安くて日本よりも関税も安いためか、欧米からの輸入品も安いですし、昨今の円高・ウォン安の影響で、日本製品まで韓国で買った方が安いという状況。2時間程度で来られるのですから、そりゃあ日本からどんどん客が来るはずです。

 観光地にしたって、日本語表記や日本語が話せる人がいるのは当たり前。その場で連れて行ってくれる日本語のガイドツアーだってバンバンやってます。電車の中のアナウンスも英語、中国語、日本語。それに比べれば、日本もようやく観光立国を目指して動き始めましたが、まだまだな感じ。

 明洞を歩けば、見慣れた韓流スターの巨大看板だらけです。国ぐるみで彼らを海外で有名にして、韓国という国自体のイメージアップや宣伝に繋げているのです。事実、日本でも中国でも、LGやサムソンといった韓国の製品が「カッコイイ」というイメージになりつつあるのだといいます。もちろん、K-POPや韓流スターがどんどん出てきて人気を博しているからです。

 日本も「Yokoso Japan」といって嵐をイメージキャラクターにしていますし、空港には彼らの大きなポスターが飾られています。しかし、韓国が展開しているこういう全体像を見ずに、表面的なところだけ真似してもダメです。

 正直言って、今の「日本」が世界中の人々にどう見られているかと言えば、地震、災害、放射能といったところでしょう。かつて「MADE IN JAPAN」という言葉がダメさの象徴から一級品の象徴へと変貌を遂げたように、日本という国のイメージがもう一度カッコ良くならなければならない時が来ています。国はそれをまた民間の自力に任せっきりにするのでしょうか。国を挙げて利益を得たいのなら、国を挙げて戦略を練り支援すべきなのではないでしょうか。

 韓国GPは事情が変わってしまったとは言え、当初はこうした国家ぐるみのプロジェクトでした。最近の新しいF1開催国であるアブダビにせよ中国にせよマレーシアにせよ、こうした背景によってグランプリ開催は支えられています。サーキットが単なるレースイベントとして開催しているヨーロッパのグランプリと同じく、鈴鹿もその古いスタイルのイベントのひとつです。

 カッコイイ日本、洗練された日本というイメージを世界アピールし作り上げるために必要なことはなにかを考える前に、国のエラい人たちにそれが必要だということを認識してもらうところから始めなくてはならないのは、なんとも残念なお話です……。

(text and photo by Mineoki Yoneya)

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1年中F1を追いかけて世界中を転々としているよねやんが、世界各地の滞在地から近況とその街の様子をお届けします。様々な文化や海外生活の知識、世界中を旅するダイナミズムをお楽しみください。この知識が、あなたの暮らしやお仕事にも役立つかもしれません。
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