今週末はどのチームもソフトタイヤのブリスター発生に悩まされている。予選ではほとんど目立ったブリスターは見られなかったが、走行を続ければブリスターは酷くなっていくという。
マクラーレンの今井弘エンジニアによれば、今回のブリスターはこれまでにピレリタイヤで経験してきた“走行に影響しない”ブリスターとは異なるものだという。
「これまでのブリスターは、高速コーナーでイン側が引きずられて高温になり発生していました。ですからトレッドのイン側に出ていました。コーナリング時に接地して踏ん張るのは中央からアウト側ですから、この場合はコーナリングには影響ありません」
「しかし、今回のブリスターはコーナリングの負荷が大きすぎて温度が上がり発生しているブリスターです。ですからトレッドの中央付近に発生しています。これではコーナリング時にグリップが低下してしまいます」
これが発生した理由は、路面のグリップが予想以上に高かったためだという。
「基本的にタイヤがソフトすぎるせいなんですが、事前予想では、グリップせずにグレイニングが起きて温度が上がらないだけか、ブリスターするかだと見ていました。しかし路面コンディションが予想よりも良く、しっかりグリップしてしまったがゆえにタイヤが負荷に耐えられなくてブリスターが発生しているんです」
(text by Mineoki YONEYA /photo by Wri2)